共同住宅
企画段階のアイディアで、想定以上のスケールアップ
投資目的のマンション建設でリピートをいただいた案件で、当社は企画段階から支援いたしました。
市場調査を行うと、周辺には25平米以上の単身むけマンションが多数ありました。一方、利便性の高い土地の場合、入居希望者は部屋の広さにはあまり拘らず、家賃の手頃さで決めるのが大半です。投資面から考えると、単身者が暮らすには十分な広さで、なるべくたくさんの部屋数を確保する物件とするのが理想的でした。
しかし、新宿区にはワンルーム条例という特別な条例があり、3階建て以上のワンルームマンションを建てる場合、一部屋25平米以上にしなければならないという課題がありました。この制限の元でマンション建設をすると部屋数を多く設けることが出来ず、その分利回りの低い物件となってしまいます。
この問題を打開するために、傾斜地という土地の特性を活かし、あえて半地下にして地下階を含めた3階建てにする企画構想にしました。
地下階は日当たりが悪く湿っぽい部屋を想像しますが、実際には半地下の強みとして、天井高2.7メートル(2.3メートル程度が一般的)と、開放的な部屋となりました。また、道路側から見ると地下階とは思わせない造りで、むしろおしゃれな雰囲気となりました。
また、賃貸マンションの繁忙期ではない4-6月の入居募集ですがすぐ満室となり、投資物件として良いスタートになりました。
大手施工会社の企画は標準化・一元化され、工程のずれが少ないという利点がありますが、その分土地特性を活かしたプランニングが難しく、オリジナリティには欠ける傾向にあります。今回も「規格化された企画」だけで進めていた場合、地下階を設けるという発想にはならなかったと推測されます。設計・発注の前段階である「企画」の大切さを再認した案件となりました。
プロジェクトの概要
当社が担当した業務段階
01
企画段階
02
計画段階
03
設計段階
04
発注段階
05
施工段階