教育施設
施主様と設計者の橋渡しで9000万円のコスト削減に成功
金融機関様より、コスト削減のためご紹介いただいた案件です。
築40〜50年を経た幼稚園の園舎を新しく建てるプロジェクトが進行していましたが、着工直前の段階で事業予算が大幅に上振れし、金融機関からのファイナンスが難航する状況に陥りました。設計事務所と施工会社はすでに決定しており、設計図の大幅な変更が難しい中、最終的には9000万円の減額に成功しました。
プロジェクトに参画した当社は、施主様とのヒアリングを徹底的に行い、園のビジョンと設計者の提案にズレがあることを明らかにしました。園長先生は「運動と音楽に力を入れる教育方針」を重視し、園児の定員は現状の維持を希望していた一方で、設計側は増員に対応できる規模の施設や、設計士のイメージを優先した提案を行っていました。そのため、両者の認識の違いを埋めるために、企画の整理と設計の一部見直しを行いました。
工事内容についても、施主様がこだわる項目とそうでない項目を整理し、コスト削減の可能性を追求しました。コスト削減の主なポイントとなったのは、建物の構造に影響しない仕上げ材の再検討と、給排水設備や厨房設備におけるメーカーの見直しです。
さらに、詳細な項目の確認を進めたところ、庭の人工芝が相場よりも高額であることが判明しました。調査の結果、施工会社が外注した協力会社は人工芝の専門業者ではなく、さらに別の業者から取り寄せていたため、手数料が積み重なり高額になっていたことがわかりました。そこで、発注者側が人工芝を直接発注し、施工会社には管理料を支払い、新たな外注先に施工を依頼する形に変更した結果、700万円のコスト削減を達成しました。
この見直しは施主様だけでなく、施工会社にとっても大きなメリットがありました。建設業界では長年の取引関係が重視される傾向がありますが、発注者の指定であれば既存の取引関係に縛られません。新しい専門業者とつながりを持つことができ、施工会社にとっても新たなビジネスチャンスが生まれるという副次効果がありました。
このプロジェクトでは、設計事務所と施工会社と当社の三者協力でVE(バリューエンジニアリング)とCD(コストダウン)を進める事ができ、当初の事業予算から9000万円の削減という結果を得る事ができました。
プロジェクトの概要
当社が担当した業務段階
01
企画段階
02
計画段階
03
設計段階
04
発注段階
05
施工段階