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「現場Plus」を導入して1年以上。CM(コンストラクションマネジメント)会社が実例で解説する3つの業務改善

工事現場のコミュニケーションは、情報のスピードと正確さで大きく変わります。
近年は写真共有・工程管理・チャットを一元化できる施工管理アプリが増え、現場のデジタル化は “導入するかどうか” ではなく “どう運用して成果につなげるか” の段階に入りつつあります。

その代表的なツールのひとつが 「現場Plus(現場プラス)」。
現場の進捗や写真、工程変更の履歴をチーム全体で可視化できるツールとして、建設会社・工務店を中心に利用が広がっています。

当社グループ(CM:工事企画/施工会社:工事技献)でも現場Plusを1年以上運用し、情報の流れやコミュニケーションの変化を実務レベルで見続けてきました。

この記事では、現場Plusを使ったことで得られた
「施主様への説明のしやすさ」「社内の情報共有」「協力会社との工程確認」という3つの観点を、できるだけわかりやすくまとめてご紹介します。

■ 1. 現場Plusで施主様との情報共有がスムーズに

─ CMとしての説明がより正確に。打ち合わせの質が向上

従来、施主様との打ち合わせでは、営業担当が現場監督から写真を受け取り、必要に応じて資料を再構成してご説明する必要がありました。このフローにはタイムラグがあり、「最新の状況を伝えきれない」という課題がありました。

現場Plus導入後は、

・施工状況の写真
・工程の変更履歴
・追加工事や調整の内容
・その日の進捗状況

といった情報が現場監督からCM側までリアルタイムで共有されます。
そのため定例会では、「いつ・どこで・何が行われたか」を最新の写真と合わせて説明でき、施主様にも現場の状況が直感的に伝わります。
さらに工程表によって、“現在どの工程まで完了しているのか” “次の数日〜数週間で何が行われるのか” が一目で把握できます

これにより、施主様は家具・備品の発注や搬入のタイミング、設備選定・色決めなど追加検討といった、次の判断や準備”を前倒しで行えるようになります。
結果として、「次に何が起きるのかが分かる」安心感のある打ち合わせを提供できています。

(参考)当社での使用例 ※画像はクリックで拡大表示できます。

■ 2. 現場Plusによる社内の情報一元化で、進捗把握・経営判断がスピーディに

─ CM/工事部/経理が同じ情報を見て判断できる強み

導入前は、図面・写真・工程表・報告書がバラバラの場所に保存され、現場ごとに管理ルールが異なることから、“情報を探す時間” と “部署間の認識のズレ” が課題でした。
現場Plus導入後は、図面・写真・工程・書類が “現場単位で統合管理” され、工事部、営業、経理、コンストラクションマネージャーが同じ情報を基準に判断できるように。
これにより、

・工程の遅延や変更理由をリアルタイムで把握
・入金や出金の予定変動をタイムリーに共有できる
・付加価値として、経営判断のスピードと精度が向上
・プロジェクト横断での進捗管理も容易に

といった内部統制としての大きな改善が生まれました。特に、工期ズレに伴う資金計画の見直しなど、CM業務に重要な判断を“誤差なく行える”点は大きな価値があります。

■ 3. 現場Plusの工程表活用で、協力会社との共有が的確に

─ 現場の見通しが良くなり、段取りが安定

協力会社との情報共有においては、特に工程表の効果が顕著です。
当社では協力会社に現場Plusアプリ導入を強制しているわけではありませんが、現場Plusで作成した工程表をPDFや印刷物で共有することで、各社が次の作業を把握しやすくなりました。

・次にどんな作業が入るか
・他業種の動きとの兼ね合い
・ペース調整が必要な箇所
がひと目で分かるようになりました。

定例会においても、最新の工程表をもとに調整できるため、現場全体の見通しが良くなり、段取りが安定しています。

現場のリアルな声

「60歳を超えてから新しいツールを使うのは正直不安でしたが、慣れてくると余計な作業が確実に減っていくのを実感しました。写真を撮ると自動で整理され、必要な資料がすぐ出てくるので、雑務に割く時間が減り、本来の業務や現場対応に集中しやすくなりました

これまで時間を取られていた写真整理や報告書作成が簡素化され、図面や書類も現場ごとにまとまって確認できるため、探す手間が大幅に減っています。
その分、“本来の現場判断に集中できる環境”が整ったという実感が出ています。当社では今や「現場プラス」は欠かせないツールになっています。

上原 博光
工事企画グループ 現場総監督
上原 博光

■ まとめ|現場Plusを活かし、より透明で精度の高いプロジェクト運営へ

現場Plusを1年以上運用してきたことで、施主様・社内・協力会社それぞれの情報共有が一段とスムーズになり、プロジェクト全体の透明性と判断精度の向上につながっています。

当社では今後も、現場の情報共有をさらに進化させ、
“状況が正しく伝わり、判断が迷わずできる現場” を実現するための運用改善を続けていく方針です。
透明性の高い情報共有は、施主様に安心していただくための基盤であると同時に、CM(コンストラクションマネジメント)会社としての責務でもあります。
これからも、施主様の立場に寄り添いながら、プロジェクト全体の質を高めるマネジメントに努めてまいります。

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