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コストオン方式とは?メリット・デメリットとCMが果たす役割

一般的な工事契約では、
「この建物を○億円でつくります」という総額が先に提示され、工事費の中身まで十分に意識されないまま話が進むケースが多くあります。
一方、コストオン方式は、
どの工事に、いくら使っているのか」という、内訳そのものを確認しながら計画を進めます。
工事にかかる実際の費用を一つひとつ確認しながら、必要なところに、必要なだけお金をかけていく考え方といえます。
本記事では、費用の面から、コストオン方式の仕組みやメリット・注意点、どのような建築計画に向いているのかを、CM(工事費の専門家)の視点からわかりやすく解説します。

■ 1. コストオン方式とは?建築工事における基本的な考え方

コストオン方式とは、設備などの専門工事会社を発注者が個別に選び、実際にかかる工事費に現場管理費(コストオンフィー)を加えて、元請会社(ゼネコン)と契約する発注方式です。

工事費には、例えば次のようなものが含まれます。

・材料費
・労務費(職人の人件費)
・外注工事費
・設備機器費 など

これらの内訳をすべて開示したうえで、そこに管理費・利益を加えることで、最終的な工事金額が決まります。
一般的な「一式いくら」という見積とは異なり、
「いくらで作るか」ではなく、「何にいくら使っているか」を明確にしたうえで工事を進める点が大きな特徴です。

■ 2. 一般的なコストオン方式のメリット・デメリット

メリット

  • 見積内容が透明で、コストの妥当性を確認しやすい
    工事内容ごとに見積が分かれているため、金額の根拠を把握しやすくなります。
    また、その工事を得意とする専門工事会社へ直接発注でき、中間マージンや二重の下請け構造が発生しにくく、一括請負方式と比べてコストを抑えやすい点も特徴です。

    たとえば、人工芝工事のように専門性が高い工事の場合、一括請負では、施工会社から協力会社を経て、更に別の業者へと発注が重なり、その都度マージンが上乗せされるケースもあります。 コストオン方式では、人工芝を専門とする会社に直接発注することで、内容と金額のバランスが取れた適正な発注が可能になります。
コストオン方式の仕組み
  • 仕様変更・追加工事に柔軟に対応できる
    変更による増減額が明確なため、内容と金額を見ながら判断できます。
  • 実施設計と並行して工事を進めやすく、工期短縮に有効
    設計完了を待たずに工事を進められるため、スケジュール調整がしやすくなります。
  • 無理な値引きが発生しにくく、品質確保につながる
    価格競争による過度なコスト削減が起きにくく、施工品質を維持しやすい方式です。

デメリット

  • 最終金額が着工前に確定しにくい
    工事を進めながら原価が確定していくため、総額が最後まで変動します。
  • 原価管理・チェックを行わないと、コストが膨らむリスクがある
    原価が見えるだけでは十分ではなく、内容の妥当性を管理する体制が必要です。
  • 施主側に工事内容を理解する負担が生じやすい
    判断に関与する場面が増えるため、完全に任せきりにしたい場合には負担に感じることもあります。

■ 3. 工事企画が考えるコストオン方式で重要な3つのポイント

工事企画では、コストオン方式を単なる支払い方法ではなく、プロジェクト全体を適切に運営するための仕組みとして捉えています。 そのうえで、特に重要と考えているのが次の3点です。

1.原価の妥当性チェックと立証

原価が開示されていても、それが適正かどうかは専門的な判断が必要です。 市場価格や過去事例と照らし合わせながら、 ・この金額が妥当か ・代替案はないか といった点を確認し、なぜこの金額なのかを説明できる状態をつくることが重要です。

2.施工会社との役割の明記

施工会社は「つくるプロ」、CM会社は「発注と管理のプロ」というように、役割を明確に分けることで、コストと品質の両面でチェックが機能する体制を構築します。

3.第三者によるコスト・工程管理

工程の遅れは、そのままコスト増につながることも少なくありません。第三者の立場で工程と予算の両方を管理することで、計画全体を安定的にコントロールしやすくなります。
コストオン方式 建築

■ 4. なぜ今、コストオン方式が注目されているのか

工事企画では、コストオン方式を、現在の建築を取り巻く状況に合った考え方だと捉えています。
ITやAIの普及により、資材や製品の価格、調達方法などの情報は以前よりも可視化されるようになってきました。
同時に、資材費や人件費は上昇し続け、建築コスト全体も上昇傾向にあります。物価高騰時代だからこそ、完成金額で判断するのではなく、実際にどこにコストがかかっているのかという「実コストに拘って」計画を考えることが重要だと考えています。
無理に削るのではなく、使うべきところには使い、無駄は抑える
その判断を可能にする進め方として、工事企画ではコストオン方式を採用しています。

■ 5. コストオン方式が向いている建築計画とは

一つの目安として、総工事費のうち、純粋な建物工事の割合が6割程度で、残りが設備・家具・外構などで構成される建築計画では、コストオン方式の効果が出やすい傾向があります。
これはあくまで参考指標ですが、発注方法の工夫によってコスト調整できる余地が大きくなるためです。

具体例:幼稚園などの施設建築の場合

例えば、3億円規模の木造幼稚園を想定すると、
・給食を作るための厨房設備
・トイレや洗面台などの衛生設備
・家具・備品
・園庭や外構工事
など、建物本体以外の工事や購入物が多数存在します。
これらをすべて施工会社任せにするのではなく、発注の専門家として仕入れ先の比較や場合によってはコンペを行うことで、購入単価そのものを下げられるケースも少なくありません。このような建築では、コストオン方式による最適化の効果が現れやすくなります。

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■ まとめ|方式だけでなく、運用体制まで含めて検討することが重要

コストオン方式は、工事費の透明性が高く、柔軟な計画運営が可能な合理的な発注方式です。一方で、その仕組みを十分に活かすためには、原価や工程を適切に管理する体制が欠かせません。
原価の妥当性をチェックし、施工会社との役割を整理し、計画全体をコントロールしていく。こうした管理があってこそ、コストオン方式は本来の効果を発揮します。

工事企画では、コンストラクション・マネジメント(CM)という立場から、発注・コスト・工程を含めた建築プロジェクト全体の管理を行っています。コストオン方式を前提とした建築計画をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。

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