工事企画コラム

次の10年に向けた、組織づくりの考え方

■ はじめに

以前のコラムで、「社員が誇りを持って働ける会社にしたい」とお伝えしました。その実現に向けて取り組んできた人材育成や制度づくりについて、私たちが大切にしている考え方を、あらためて言葉にしておきたいと思います。

創業からの10年は、私自身が中心となって事業を築いてきました。これからの10年は、一人ひとりが自分の強みをさらに発揮し、自ら考えて行動できる組織へと成長させていきたいと考えています。

■ 1. 時間をかけて、一人ひとりを育てる

工事企画の仕事は、施主様・設計事務所・施工会社のあいだに立ち、工事費の専門家として、品質とコストの両立を図りながら、建築を形にしていくことです。

そのためには、建築に関する幅広い知識と、立場の異なる関係者の意見を調整する力が求められます。それだけに、専門性の高い仕事だと考えています。

だからこそ、入社後の2〜3年は、先輩社員と一緒にプロジェクトに関わりながら、経験を積んでもらっています。言葉で伝えるだけでは、考え方はなかなか定着しないからです。

裏を返せば、入社の時点ですべてを身につけている必要はありません。大切なのは、時間をかけて共に学び、成長していけるかどうかです。

■ 2. 一人ひとりの適性とキャリアから配置を考える

工事企画グループでは、一人ひとりの個性や強みを理解するため、入社した社員には16タイプの性格診断も受けてもらっています。もちろん、診断結果だけで役割を決めるわけではありません。本人が将来どうなりたいのか、どんな仕事に挑戦したいのかを聞きながら、力を発揮できる配置を考えています。

ちなみに私自身は「建築家」タイプでした。こうした取り組みは珍しいと言われることもありますが、本人の希望を踏まえた配置が、実際にうまく機能していると感じています。

■ 3. 社員が自ら動き出す組織へ

工事企画グループでは今、見積管理や発注管理、原価管理などに使う社内システムの開発を進めています。

その中心にいるのは、飲食店のホールスタッフから入社した社員です。プログラマーでも、システム会社の出身でもありません。それでもAIを活用しながら試行錯誤を重ね、約1年で社内業務のデジタル化を進めてくれました。

先日、彼女は「自分が作ったものを他社の社長さんが喜んでくれて、お金を払ってくれることが本当に嬉しい」と話していました。

また、工事技献の副社長で、現場監督も務める上原は、建築業界歴40年のベテランです。その上原も今、自社に蓄積された積算データをAIに学習させ、平面図や立面図、仕様書を読み込ませるだけで概算見積を算出できるシステムの開発に取り組んでいます。「AIは若い人のもの」と思われがちですが、社内で一番楽しそうに取り組んでいるのは上原です。

今では社員それぞれが「もっとこうしたら便利になる」「この機能を追加したい」と、自らシステムをつくり始めています。自分たちが毎日使うものを、自分たちの手でより良くしていく。組織全体の熱量は、これまでにないほど高まっています。

■ 4. 土台にあるのは、素直さと、やりたくない仕事を引き受ける姿勢

こうした組織の土台として、私が大切にしている姿勢が二つあります。

一つは、素直で謙虚であることです。専門知識や仕事のスピードは、経験を重ねることで少しずつ身についていくものです。一方、人の意見に耳を傾け、学ぼうとする姿勢は、簡単に身につくものではありません。そうした姿勢を持つ人は成長の仕方が違い、周囲とも良い関係を築けると感じています。私自身、決して器用なタイプではありませんが、教わったことを実践してきた積み重ねが、今につながっています。

もう一つは、やりたくない仕事を率先して引き受けることです。利益に直結しない業務や、正直なところ面倒な作業は、後回しにされがちです。けれども、お客様からの信頼は、そうした地道な取り組みの積み重ねから生まれるものだと考えています。だからこそ、進んで引き受けられる人には、安心して仕事を任せたいと思っています。

■ まとめ:次の10年をつくる組織へ

時間をかけて人を育てること。一人ひとりの違いを踏まえて役割を考えること。そして、素直さと、やりたくない仕事を引き受ける姿勢を大切にすること。こうした考え方を軸に、工事企画グループは組織づくりを進めています。

あわせて取り組んでいきたいのが、設計事務所との連携を深め、私たちが蓄積してきたデータベースを共有しながら、工事について気軽に相談できる「工事の窓口」のような仕組みをつくることです。

工事のことで迷ったとき、「あそこに聞いてみよう」と声をかけていただける存在になること。それが、次の10年で目指す姿です。

工事企画グループでは、同じ志を持ち、共に考え、成長していける仲間を募集しています。

(当記事執筆者:掛川 将)

三方よし
当社代表・掛川がラジオ出演いたしました(YouTube公開中)

「これからの10年、どのような組織を築くのか。」 起業から現在に至るまで、迷いながらも決断を繰り返してきた経営者の本音を語っています。 建設業界の未来を見据えた、今の正直な想いをぜひお聞きください。

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